2003年式 パナソニック MTB 通勤スペシャル(2003年9月27日更新)

2003年8月。
出続ける腹に危機感を感じ、職場で自転車通勤を宣言した。
が、回りは誰も信じていなかった。
なにしろ私の家から会社まで20km弱。
最初の10kmは標高差350m。8パーセント前後の上りっぱなしである。
残りの10kmもアップダウンを繰り返す上、車道を走るのは自殺行為のトヨタ本社前を通らなくてはならない。
さすがに最初の坂登り(帰りだが)はパス。なぜってこの部分だけでも1時間コースである。しかも明かりがない。車にひかれた狸の死体も何度見たことか。
猫せんべいになるのいやだったので、ちょうど中間ぐらいの公園の駐車場に車を止め、残り約8kmをロードレーサーで行くこととした。
最初の1日はチューブラータイヤを装備したヒルクライムレーサーを使った。
しかしあえなく1日で轟沈。
歩道のギャップに耐え切れず、チューブラータイヤがはじけてこぶだらけになってしまったのである。(人間は何とかいけたのに)
で、2日目以降、700Cのタイヤに換装したミヤタのロードレーサーに乗り換えた。
タイヤは何とか持つようになったが、リムが曲がりそう。
しかも何回も車に惹かれそうになり、明かりの必要性を感じた。
帰りにホームセンターへ寄り、反射鏡やらテールライト、反射たすきなどを購入。
しかしそれだけ装備しても夜の歩道は強敵だった。
対向車のライトに幻惑されギャップに突入。わずかだがリムが、曲がってしまったのである。
で、恒例のとおり専用車の作成を決心。
以下は気まぐれ通勤スペシャルの製作記である。


まず、わかりにくい用語を解説しとこう

チューブラータイヤ 名前のとおり、チューブ状に成型されたタイヤ。普通のタイヤはリムにチューブを入れたタイヤを引っ掛けて固定する構造であるが、このタイヤは、薄い布にゴムをコーティングしたタイヤの中に薄いチューブを包み、糸で縫ってホース状にし、リムに接着するというものである。歴史は古く、高圧に耐えるうえ軽いので、現在でもロードレーサーやトラックレーサーはほとんどこのタイヤを使っている。ただし、パンク修理は難しいので基本的に使い捨てである。
MTB マウンテンバイクのこと。
700C チューブラーは通常27インチの内径を持つ国際規格であるが、リム径をミリで表示して700Cと呼ぶこともある。アルファベットは太さを表す。
ただ、最近では27インチのチューブ入りの普通のリム、タイヤのことをさすことが多い。今回もこれ。別名700CのWO(ワイヤードオン:チューブラーの反対語で普通のタイプのタイヤとリムを指す)
ヒルクライムレーサーで使っている26インチは650Cと呼ばれる。
バインディング ビンディングともいう。スキーのように靴を直接ペダルに固定する装置。むかしはペダルにトウクリップとベルトで靴を固定していた。
スリックタイヤ 車やオートバイレースでおなじみの溝のないタイヤ。
ただし自転車の場合、MTB用のブロックパターンじゃない、排水用の溝があるものを指す。
ホイールのサイズ じつはこの自転車を作るとき、手持ちの泥除けをつけようとしたらタイヤ径がはるかに小さいことに気づいた。ここではじめて同じ26インチ表記でも3種類あるのを知った。昔の26インチ(650A)、昔のランドナーに使っていた650B、MTB用の650HE。ブレーキゴムの位置がぜんぜん違うので互換性はまったくない。
オーバーサイズ 今までのフロントフォークは取り付け部分の太さが1インチ−25.4mmだったが最近28.6mmの太いものが使用されるようになった。これをオーバーサイズという。
アヘッド フロントフォークは通常頭に雄ねじが切ってあり、そこにセットしたベアリングを保持するヘッドパーツを介してフレームに勘合されているが(これはノーマルスレッドと呼ばれている)、最近のものはアヘッドといって、フロントフォークをステムではさんで固定する構造となっている。同時にバラのボールベアリングから、規格品のシールドベアリングを使う構造となった。
FD、RD フロントディレーラー、リアディレーラーのこと。前後の変速機のことである。
ディオーレ シマノのロード用、MTB用パーツにはそれぞれグレードがある。
ロードの場合上からデュラエース、アルテグラ(シマノ600)、105、ティアグラ,ソラの5種類。
MTBの場合上からXTR、ディオーレXT、ディオーレLX、ディオーレ、アリビオ、アセラ、アルタスの7種類がある。
さすがシマノで、どれを選んでも問題は起こらないが、最上級のデュラエース,XTRを一度使うと、もう他のは使えない。
7速、8速、9速 弟が持っているアラヤのMTBは後ろ7速だ(IG規格)。今回組んだMTBは9速(HG規格)である。7速の自転車には8速以上は付かない。なぜならチェーンの幅が違うから。同じ幅のフレームに2枚余分に歯を入れるため、歯の厚さが薄いのである。しかも8速用と9速用のチェーンは互換性がない。ややこしいことに、かって弟の自転車に付くIG規格の8速ギアはあったのだが、そのギアは今の8速の自転車には付かない。しかし今売っている8速の自転車には9速まで付く。ただし、変速機からレバーまですべてを交換すれば・・だ。


恒例の仮組み。フレームは3年ぐらい前に購入したパナソニック。
アルミ7005番の焼入れ材使用。部品はほとんどヒルクライムレーサーのあまり物だが、ホイールだけはどうにもならず新規購入した。
チェンホイールはヒルクライム用に買ったものの、規格が合わずに眠っていたトルバティブ。ペダルは両面バインディングにリフレクターをセットしたもの。通勤では当然帰りは夜間走ることになるため、あちこち反射鏡をつけたい。
タイヤは当然のごとくスリックタイヤ。26x1.5(インチ)。
夜間走行が必須なのでハブにシマノ製の発電機を内蔵したホイールを購入。リムはアラヤの840Fというパイプ構造。なんとブレーキの当たり面はフライスで切削加工されていてぴかぴかである。
フォークはフレームと同時期に購入しておいたRSタイチ。オーバーサイズ、アヘッドである。ダンパー調整つき。
ブレーキはいまや常識となった、リムさえ削る強力無比なシマノディオーレのVブレーキ。
これはランドナーにも装備したい。(ただし後述の理由でドロップハンドルではそのまま使えないのが判明した。解決策は考えてあるが・・・。
おきて破りのドロップハンドル。
わたしはMTBに長距離乗ったことがないため、あのハンドルはなじめない。
通勤専用ということでドロップバー、しかも骨董品のニットーランドナーである。
ブレーキレバーは9速対応のシマノティアグラ。ブレーキレバーで変速するSTIレバーは骨董好きの私をも打ち負かした。いいものはいいのだ。(注:実はワイヤーのひき代が違うため、MTBにはこのレバーを使えないことをご指摘いただいた)
ちなみにアヘッドはこの写真のようにステムのクランプねじでフロントフォークを止めている。
とうぜんヘッドパイプにはねじがない。
これは仮組み状態なのでステムのうえに20mmほどパイプが突き出ているが実際はヘッドパーツとステムの間には20mmのスペーサーが入る。(つまりハンドルがあと20mm上に上がる。)
変速機は暫定品。ヒルクライム用に買ったシマノティアグラ。9速用。
ただしこれはロード用なので、たぶんMTBのギアに合わない。
いま、MTB用を探している。
リアホイールは台湾製のアレックスリムにシマノLXの9速用ハブ。これも機械加工はなされているが、前輪と違い、パイプではない、アルミの塊である。当然重い。
サドルはこれまたヒルクライムレーサーのあまり物。
セライタリアのフライトチタン。
シートポストはフレームについてきたもの。この太さがあとで厄介ごとを生み出すとは。
シートピラーの太さは数種類あり、このフレームは中でも最大の31.6mmという内径を持つ。上の写真でもかなり突き出しているが、これでもあと20mm足りなかっため名古屋のカトーサイクルで全長350mm、2500円の一番安物を購入してきた。フレームが小さいため、この長さでやっと60mmほどフレームに入る。 上で書いた厄介ごとがこれ。
フレームが太すぎて手持ちのFDが使えなかった。内径で34.9mmのものが必要な上、ワイヤーを上に引くものが必要となるのである。
ここで初めて、FDの規格が6種類あることを知った。クランプ径が28.6(クロモリフレーム)、31.8(アルミ)、34.9(MTB)の3種類。さらにワイヤーが上から来るものと、下から来るものの2種類だ。これはシマノのディオーレである。
大きなことを言ったくせに結局普通のMTBになってしまったハンドル回り。
いろいろ調べたが、現行のパーツの組み合わせでは、STIレバーを使う限り、ドロップハンドルをつけることはできない。ブレーキレバー単体ならドロップハンドルに使えるVブレーキ用があるんだけどね。
ヘッドライトはハブダイナモとセットのハロゲンライト。電池式と比べるとほぼ倍の明るさに感じる。驚いたことに人間が降りて引っ張るだけでも、ちゃんと道を照らす。あまりの効率のよさに感動した。いつかランドナーをオーダーするときは採用しようと思う。
変速レバーはディオーレでブレーキレバー一体型のSTI、9速用だ。
150mmもある、アヘッドステム。
これでもあと20mmは欲しいのだが、あまりにも重心が前寄りとなるため妥協した。できるだけロードレーサーのポジションに近くなるよう、ハンドルの高さはスペーサーで調整し、いっぱいまで下げた。
アヘッドの場合、上の黒いふたがベアリングのプリロードを調整する要となる。この時点ではふたは樹脂製だが、ねじを締めこむと変形してしまい微調整が効かないため、シートポストと同じメーカーのアルミのものに交換した。
ヘッドパーツは予算がないため丹下のボールベアリング。3400円。
シールドベアリングのものは1万円以上する。
リアスプロケットは11t−32tのディオーレ。変速機はやっぱりロード用のティアグラではケージがギアに引っかかってしまうため、MTB用のディオーレとなった。最小ギアが24tx11tと小さいため、ご覧のとおり32tにあわせたチェーンの長さを、このロングゲージを持った変速機でもひっぱりきれず、能力はいっぱいいっぱいである。チェーンは9速専用となる幅が狭いもの。このあと1コマ足したためさらに苦しくなった。 やっと見えてきた全貌。それにしても小さなフレームである。
股下82センチの私ではシートポストはこれだけの突き出しが必要となる。
私の足が長いように聞こえるかもしれない。
しかしよく見てもらうとわかると思うがクランクシャフト(BBのハンガー下がりという)の位置が異様に高いだけである
そのためか、直進時には安定感がまるでない。
たぶんダウンヒル用だよなあ、これ。
この状態で14.5kg。
通勤で使ってみたが結構速いのに驚いた。
街中では10kgのロードレーサーとどっこいの平均速度が出るのである。
最終的にはレバーの問題を解決して、ドロップバーをつけたい。

続く
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